到着するとすでにお店は開店。
カトーがスタッフ達に指示し切り盛りする姿を見て、成長したなと感激。 落ち着いたところで2階事務所から賑わう店内を見渡しながらカトーと談話。 「3年前 ここまで予測してたか?」 「してなかったですね」 「働いたな」 「働きましたね」 「よくやってくれた!!」 「ありがとうございます・・・ウ・・ウッ・・・」 カトーは感極まって泣いている。 それを見てボクは『気持ちわる』って思ってました。 オレの『よくやった』なんて本心な訳ないのに、オレと何年付き合ってんだよコイツって思ってたら 「ウグッ・・・ウッ・・・マミちゃんにも見せたかったっす・・・」 不意を突かれてオレも泣いてしまう・・・。 それを見ていた美鈴が 「男の涙ほど情けないものはないわ」 と一蹴・・・。 美鈴の方がずっと男らしいのかもしれない。 「チャラになったな」 「チャラになりましたね」 いろんな事が行ったり来たり、3歩進んで5歩も下がったり。 思うようにいかない事ばかりだが、まぁ思い返してみても人生で思うように行った事なんてほとんどない。 自分の容量からみてここ1年の仕事量は危ない域で目の前のことでなく、裾野が広がり過ぎてるなと感じたことも度々。 頭がおかしくなる1歩手前くらいまで来ていたというか、頭がおかしいのは元からかもしれないけど、極端に言えば人間性がなくなってるような気がしていた。 でも、悩んで、苦しんで、もがき続けた先にチャラになる瞬間がある。 何もかも報われる瞬間がある。 その瞬間を味わいたくて、その瞬間に取り憑かれて、その答えのない幸せを味わうためだけに未だに苦しみの中をさまよっているのかもしれない。 「チャラになったな」 「チャラになりましたね」 アナミさんに 「よく加藤君にこの規模やらせたな。信頼してんだな」 と言われた。 信頼? ウハハハ。 オレが信頼!? ウハハハハハ。 アナミさんは何も分かってない。 いつまでもイケメンとか言われてる場合じゃない。 そもそもカトーが去年 「ニューヨークの日本食レストランで働いてる人は日本に来たこともない人ばっかりだし、しかも日本食すら食べたことがない人だらけですから、きちんとした人材で賄えば絶対に上手くいきます」 と言ったのが始まり。 「やらせて下さい!! 絶対成功しますから!! というか今だとなんでも成功させる自信があります!! 恐いんですよ自分の才能が!!」 たった半年ほど支店長やっただけでここまで言えるカトーが恐かった・・・。 正直ボクは上手くいかないだろうと思っていた。 だからこそカトーにやらせたんだ。 だってほら ボクって 石橋を叩いて人に渡らせる タイプじゃないですか?
by WASH2011
| 2016-04-14 13:25
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